コントラストに圧倒されるBRAVIA HX920シリーズレビュー(画質編) [BRAVIA/BDレコーダー]
BRAVIA HX920シリーズで最も気になるのは画質だと思います。なんせBRAVIA史上最高画質と謳っている訳ですし、直下型LEDの部分駆動やX-Reality PROなどの新エンジンも気になるところです。
色々と私なりに設定などを含めて検証してみました。
X-Reality PROとは
今シーズンのBRAVIAを語る上で一番気になるのはCMではインターネットTVを押してますが、間違いなく新描画エンジンのX-Reality PROだと思います。具体的にはソニーのオフィシャルサイトをご覧になられるのが一番なのですが、生まれた背景と、このテクノロジーがどのようなものかだけ簡単にお伝えしたいと思います。
昨今、超解像度技術が流行っています。これは地デジなどのフルHDに満たない映像を解像度を高める技術なのですが、東芝のREGZAはそれをプッシュしてシェアを大幅に増やしてきました。実はこの超解像度技術はソニーもDRC-MFと言う映像処理エンジンに組み込んでいた次期がありました。どう言う訳が途中で採用しなくなってしまい、映像エンジンについては一歩遅れているイメージでした。
これについては多くのファンが嘆いていたのですが、このX-Reality PROで見事にDRC-MFの後継と呼べるエンジンが誕生しBRAVIAも超解像度技術が復活した事になります。
X-Reality PROで興味深いのは複数枚超解像と言って複数のフレームを参照しながら画像処理をするような事をしている事です。これは既存の超解像度技術が動画であっても1枚の画像を基準に超解像していたのを、複数枚のデータを参照する事により映像のノイズまでも減らす事を実現しています。
パネル
パネルは恐らくサムスンのパネルを使っていると言われています。
上の写真はHX920のパネルを超接写で撮影したものです。
また液晶パネルとガラスの間にできる空気層を樹脂に変更することで、映り込みを低減させています。これはXperia arcやNXなどにも同様の技術が採用されており、外光の反射を低減させることで野外での見易さにも貢献している技術です。
HX920の評価を見るとコントラストが圧倒的に凄い事が良く言われていますが、理由は直下型の白色型LEDとバックライトのエリア駆動方式を採用により、黒い部分はバックライトをオフにし、明るい部分は逆にバックライトの明るさを上げる事で実現しています。
画質の調整
さて、前置きが随分長くなりましたが、前回の設定編でもお伝えしましたが、画質の設定項目は非常に詳細でかなり細かく変更できます。ここでは私の設定値を基に簡単にご紹介したいと思います。
バックライト 6(3ぐらいから暗くなり、7ぐらいから明るくなります。)
ピクチャー 95(最少にすると真っ暗になります。最大でも良いぐらいでしょう)
明るさ 50 (最大にすると白飛びします)
色の濃さ 52(濃いと赤っぽくなます)
色合い 標準値
色温度 低1もしくは中(低にすると色が濃くなり赤身が強くなります)
シャープネス 50(数値を下げるとかなりボケます)
ノイズリダクション 弱(ソースによるのでオートでも良いかも)
MPEGノイズリダクション 弱(上に同じく)
ドットノイズリダクション オート(オート)
リアリティークリエーション マニュアル
精細度 10 (上げるとザラザラした感じになります)
ノイズ処理 40 (上げてもあまりザラ付きは変わらない印象)
スムースグラデーション 弱 (画像が平坦な部分の快調をなめらかにしてくれます)
モーションフロー クリア (クリアやクリアプラスは暗くなるのでバックライトの調整が必要)
シネマドライブ オート2 (あまり大きな変化は無いようですが2が良いらしい)
黒補正 -1 (あまり下げると黒潰れしますが、黒の締まりが売りなので少し下げました)
アドバンストC.E 弱 (コントラストの調整のひとつです)
ガンマ補正 –1 (これも下げると黒が締まります)
LEDコントロール 標準 (これで圧倒的なコントラストを実現していますオフにすると意味無いと思います。ただ、コントラストが強すぎて光がパネルに映り込み白浮きのような表示になるとも言われています。)
オートライトリミッター 弱
クリアホワイト 弱
ライブカラー 弱 (昔からのBRAVIAのウリのひとつの機能ですが、上げると赤っぽくなります)
色温度調整 標準のまま
ディテールエンハンサー 弱 (細かい部分の表示がきめ細かくなります。例えば絢香の持っているマイクなどがより鮮明になります)
エッジエンハンサー 弱
では、上記で設定した映像の写真をご紹介します。
ライブ MTV Unplugged ayaka
アニメ 機動戦士ガンダムユニコーン EP2
地デジ バラエティ番組
地デジだと、あまり大きな差は感じ無いのですが、BDなどの映像ソースだとスタンダードやダイナミックで感じる映像のザラ付きも減り、黒は締まってとてもコントラストが綺麗な映像になったと思います。HX920はかなり設定範囲が広くてややこしいのですが、調整する事で真の力が発揮されると思います。私は最少か最大値にして少しずつ調整して、分からないのは弱ぐらいの設定にしています。
映画などを見る場合、シーンセレクト機能がありますので、そこで大よその設定をBRAVIAまかせにして、設定を詰めていくのも良いと思います。
視野角
液晶テレビなので視野角も気になると思います。
視野角はかなり良いと思いました。斜めから見ても色味もほとんど変わらない。ただ、その圧倒的なコントラストの為か、正面からではほとんど問題無いのですが、良く見ると斜めからでは白浮しているような現象が現れていました。
最後に
Blu-rayDiscで映画を見てみました。「トランスフォーマー リベンジ」です。
お借りしてくださったみんぽすさんも特設サイトを設けられていますが、家で映画を見る条件の「黒の締まり」「映り込みが少ない」「なめらかさ」どれも高いレベルで実現していました。映画のようにじっくりと映像に浸るようなモノでは、今までのTVと大きく差を感じまいますね。
ただ、完璧とはまだ言えないと部分もあります。動きの早いシーンではやはりちょっと目で追うのが疲れてしまう傾向がありますし、映り込みも抑えられているとはいえあります。黒の締まりは高いレベルで実現してますが、斜めから見た時に光漏れが少しでもあるのも事実。
ですが今まで散々液晶テレビの弱点と言われていた部分を、パネルや描画エンジン、バックパネルのコントロールでここまでのレベルに持ってきているは数年前では信じられない事ですし、別次元の映像である事は間違い無いでしょう。
まとめ
BRAVIA史上最高画質は伊達じゃなかったです。私は今、ミドルクラスのBRAVIA KDL-46HX80Rと言うこのHX920よりも1世代だけ前のモデルなのですが、表示される映像の差は比べてみるとかなりの差がある事が分かってしまいました。今はTVを元のHX80Rに戻しているのですが、画質の差がここまであったのか!?と愕然としています。もう次買う時はハイエンドモデルにしようと決めています。
CESで新型BRAVIAが発表されましたが、ハイエンドのHX9XXシリーズは新型が出ませんでした。まだまだBRAVIA史上最高画質はHX920シリーズで続きそうですね。
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