SSブログ

僕らのソニー [その他]

このブログを初めてご覧になる方も、ブログもタイトルを見れば私がソニーファンである事は簡単に分かると思います。家の電化製品はほとんどソニー製で埋め尽くされ、新商品が発表されると必ずソニーストアにチェックしに行くぐらいの筋金入りです。

そんな私でも最近のソニー製品の変化には少なからず気が付いていた部分があります。

DSC02826

立石泰則さんの「さよなら!僕らのソニー」を読んだ事があるでしょうか?かなり刺激的なタイトルだと私も思います。しかし、本の内容は物凄くソニーへの愛情に溢れた内容になっています。ソニーが気になって私のブログを訪れている方は是非、一度読んでみて欲しいと思います。

今回はその「さよなら!僕らのソニー」を読んで感じたことを書いてみようと思います。

本は立石さんが初めてソニー製品と触れ、そしてソニー製品がいかに素晴らしかったのか?ソニーと言う企業がどれだけ日本の戦後復興に貢献してきたのか?物凄く熱く、そして愛情が沢山詰まった内容から始まります。年代は違えど、同じような想いがソニーファンにはあると思います。私も物凄く共感しました。きっとソニーファンなら誰もが目頭が熱くなるものがあると思います。

企業の経営者や取締役員なんて、自分の会社でさへあまり気にしないと思います。私もソニーについては創業者の井深さんや盛田さんの話や現在の社長ぐらいは知っていますが、細かい人事なんてどうでも良いと言う考えでした。それよりも自分がカッコイイと思ったり、使ってみたいと思う商品に興味があるだけだったのです。

ただ、ソニーの最近の変化はこの経営者達によって起きていると言うのがはっきりと分かると思います。もちろん、当の本人に聞かないと分からない事もあるとは思いますが、本に書いてある内容はずっとソニー製品を見続けてきた私には分かるものがありました。

例えば、本の中にも良く紹介されていますが、BRAVIAは分かりやすい例になると思います。

DSC02821

BRAVIAにはWEGAの時から搭載されていたDRC(デジタル・リアリティー・クリエーション)がずっと搭載されていました。これは今話題になっている超解像度技術の先駆け的存在で、SONYのハイエンドテレビには必ず搭載されているテクノロジーだったのです。

それが今のBRAVIAには搭載されていません。コストカットの為です。最新モデルは後継とも言えるX-Reality Proが搭載されていますが、何故かシングルチューナーだったりと意味不明な仕様。

DSC02825

PlayStation3も同じです。コストカットの為にPS2の互換性を取り除きました。今はPS3は黒字になっていますが、PS2の頃に比べたら非常に寂しい数字である事は事実ですし、結果的にPS2のソフトはガラクタ同然になり、今は店頭では中古ソフトが投げ売りされているだけの散々な状況です。

同じような事が思い当たる商品やプロダクト、最悪開発中止になってしまったものはまだまだあると思います。

image

ただ、私は今でも全部が全部詰まらない商品ばかりだとは思っていません。今でもHMZ-T1など私がソニーらしいと感じる製品は度々リリースされていると思っています。ユーザーの琴線に触れる商品が生まれていないと立石さんは指摘されていますが、少なくともAIBOや初期のVAIOなどは私はビンビンに触れてました。もう毎回新型が出る度にワクワクしていたのを覚えています。

ソフトウェアやクラウドに集中するのも間違っているとは思っていません。一応、ソフトウェア産業の中で働いていることもありますが、クラウド化はもう避けて通れない道だと考えているからです。ただ、私はクラウドにあるコンテンツを再生できる最後の手段が圧倒的な画質、圧倒的な音質、そして使い勝手と連携がソニーの中で完璧に出来てこそ、ソニーが今後生き残り、更なる飛躍をする手段であり他社と差別化できる強みだと確信しています。

ただ、それを表示するデバイスが「最悪パナソニックでも何でも良い」なんて考えのストリンガー氏は言語道断だと思います。それがソニーのトップの考えだったのだと知った時は本当にショックでした。それ故に多くの優秀なエンジニアや研究所を大量に解雇・解体し、BRAVIAからDRCを取り除き、VAIOは横並びのつまらないラインナップばかりになってしまい、XPERIAは周回遅れなんて言われるスペックで落ち着いているのかと思うと、恐ろしいぐらいに不安と危機感を感じてしまいました。

※追記※立石さんは出井さんやストリンガー氏の路線をハードとソフトの融合」「ハードとコンテンツとの融合」といった空論だとご指摘されています。ソフトウェアを軽視するような記述は書籍の中でされていません。

幸いにしてストリンガー氏は先日CEOの席から退かされました。出井さんやストリンガー氏の頃に行った多くの間違った舵取りやリストラの傷跡は相当深いと思います。ですが、舵取りを修正すればきっとまた輝きを取り戻すと信じています。こんなボロボロの状態でも、VAIO ZやHMZ-T1を出せるのですから!

最後になりましたが、著者である立石さんのご厚意でサインを頂きました。

SONY DSC

同じソニーファンとして物凄く嬉しかったです。ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。

立石さんはソニーの本を沢山執筆されています。どれも読みたい!
さよなら!僕らのソニー (文春新書)

さよなら!僕らのソニー (文春新書)

  • 作者: 立石 泰則
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/11
  • メディア: 単行本
ソニー インサイド ストーリー

ソニー インサイド ストーリー

  • 作者: 立石 泰則
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/09/01
  • メディア: 単行本
ソニー最後の異端―近藤哲二郎とA3研究所 (講談社文庫 た 64-4)

ソニー最後の異端―近藤哲二郎とA3研究所 (講談社文庫 た 64-4)

  • 作者: 立石 泰則
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/05/15
  • メディア: 文庫

nice!(11)  コメント(10) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 11

コメント 10

とっちゃんれなれな

私もソニーファンの1人として今の状況が残念です。
今所有している主なソニー商品は、ウォークマン、サラウンドヘッドホン、BRAVIA、VAIO(AType)、ハンディカム、ヘッドホン(XBA)、Rolly、過去にも歴代ウォークマン、Infocarry、CLIE、PS1、PS2など数々所有してきました。とにかく経営者が自社製品に愛着がないのは最低ですね。SONYの社員の人は自社製品を使っているのかと不思議になるほど、最近の商品は使い勝手が悪いと思います。商品群を減らして本当にいい物を追求すべきかと。あとこだわりを持ってほしいのはサイズだったりデザインだったり、直接的に絶対値で判断できるものですね。並べて比べてはじめてわかる差は、なかなか差別化のインパクトが弱いです。そこがappleはさすがといわせるところですね。
私もソニーFANとして復活を祈っているというか、商品企画を任せてほしいぐらいの気持ちですね。
by とっちゃんれなれな (2012-02-12 19:51) 

taiseiko

とっちゃんれなれな さん
はじめまして。
自社製品に愛着が無いのが一番残念なところだったと思います。ファンの方は沢山いて、皆さん色んな思いがありますが、共通しているのは製品に愛着があることですよね。その部分を会社のトップが分かっていないと、良い製品が生み出せないのは当然だと思います。
by taiseiko (2012-02-12 21:29) 

とっちゃんれなれな

コメントありがとうございます。
学生の時、盛田さんの講演を聴ける機会があって、英語の講義を休んで聞きました。テープレコーダーをアメリカに売り込みに行った時のお話を熱く語っておられました。
by とっちゃんれなれな (2012-02-13 07:04) 

taiseiko

とっちゃんれなれな さん
盛田さんのお話を聞かれたのですか!!それは羨ましいお話です。私も一度は聞いてみたかったですね。
by taiseiko (2012-02-13 22:07) 

manachan

その時代に一番良い物を買う主義です。
今はそれが残念ながら、スマホ・PCではAppleでした。

ソニーのウォークマンは高くて学生時代には高嶺の花でしたが、
あの頃以上のソニーをみたいものです。

「ソニー厚木スピリット」も面白いですよ。
by manachan (2012-02-14 14:54) 

はまちゃん

プレステでいえば、PS2に莫大なソフト資産があるというのに、
それをすべて捨てちゃったのがイタイですねぇ…
久夛良木さんがいたら、絶対このようなことはなかったと
思います。vitaの失敗もなかったはず…

やはりソニーには、強い個性をもった変人が必要です。
by はまちゃん (2012-02-15 01:09) 

taiseiko

manachan さん
コメントありがとうございます。
今のAppleは本当に凄いですよね。SONYもそれぐらい復活して欲しいところです。

by taiseiko (2012-02-15 09:42) 

taiseiko

はまちゃんさん
PS3でPS2のソフトを動かして、それをBRAVIAのDRCで見ると、PS2のソフトが凄く綺麗でした。それを両方取ってゴミにしてしまったのは本当に痛いと思います。
以前のソニーはある意味変人の集まりみたいな感じがありますね。平井さんには期待したいです。
by taiseiko (2012-02-15 09:44) 

こじゃる

私もSONYファン…でした。カセットテープの頃のウォークマンでハマり、その後ディスクマンとかビデオウォークマンとかTVとかビデオとか、色々なSONY製品を買いました。
あの頃のSONY製品はホントに魅力的で楽しかったです。
MDまではよかった気がしています。AV製品がPCと連携し始めたあたりから、ちょうどNet MDやネットワークウォークマンが出始めた頃(ウォークマンのロゴが変わった頃?)から、何かまとまりのない製品や規格を次々出し始め、せっかくSONYで揃えてもあんまり幸せになれなくなってきました。
元々Macを使ってたのもあって、MDの後にiPodを使い始めたのを皮切りに、一気にApple製品にハマって行きました。今ではApple製品がなくなると本当に困ってしまいますが、ソニー製品がなくてもほとんど困りません。多分次にTVやレコーダーを買い換える時はSONY以外になってしまうかも…。少なくとも今の私はSONYの製品で買いたいものは残念ながらないです…。
CEOが代わってSONYがかつての輝きを取り戻せるといいのですが…。(>_<)
by こじゃる (2012-02-25 13:08) 

taiseiko

こじゃるさん
コメントありがとうございます。
SONYでそろえてもあまり幸せになれなくなってきたのも痛い部分のひとつですね。
Appleに移行してしまう方が多いのはちょっと残念な気持ちですが、そう言う方がまた戻ってこられるようになるよう、ソニーには頑張って欲しいです。
by taiseiko (2012-02-26 10:40) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

HP Directplus オンラインストア

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。