XPERIA ではソニーは救えない

ソニーのスマートフォンが失速しているとメディアで騒がれています。

簡単にまとめるとソニーは成長の牽引役となるはずだったXperiaが失速。その原因は中国のスマホメーカーの台頭。そして2015年3月期の最終赤字を500億円から2300億円へ下方修正、1000人のリストラに至ったと言う事です。

この事はある程度、事前に予想できていたのに何をしているんだ？と言う発言が目につきます。実際、私も同じ思いです。しかもこの構図、PC部門であるVAIOが最終的には売却せざるを得なかった失敗とほとんど同じと言う事もあって、なんだかなぁと言う想いがあります。

歴史は繰り返される

歴史を振り返ると現在、ソニーが苦しんでいる状況は昔日本企業が米国などの企業に対して行った戦略と同じような気がします。

絶対に勝ち目が無いと思われていた中で日本メーカーは低価格・高品質な商品を投入し、アメリカの家電メーカーや車メーカーに勝ち続けてきました。そしてアメリカの家電メーカーは次々と淘汰されたのです。

現在は中国をはじめとしたアジアメーカーに同じように日本の家電メーカーが苦しめられています。日本の家電メーカーは技術力や品質で中国などはなかなか追いつけないと油断していたのだと思いますが、彼らはマネをしながらも着実に技術力を身に付けてきました。これは同じではないにしろ当時のアメリカの油断と似てますよね。

この構造はスマートフォンでは最近ですが、パソコン、テレビでいち早くその傾向は表れてて、問題視されていました。

では、なぜ？素人でも予想できる事をソニーは回避できなかったのでしょう。

理由は単純なようで複雑だと思います。

上記に書きましたが、過去にアメリカなどの家電メーカーは日本の家電メーカーの低価格・高品質なプロダクトに駆逐されてしまいました。残っては居ますが、それは本来の形とは違う姿だと思います。現状がさらに恐ろしいのは圧倒的優位だった起業が次々と破綻、吸収されていく時代だと言う事です。

歴史は繰り返されると言いますが、この流れを変えた歴史は今はまだほとんどありません。ブルーオーシャンだとか、アダプティブ戦略とか、最近の流行りでもこの現状を乗り越えられるような新しい発想は生まれているとはなかなか思えないと私は感じています。

ただ、それを乗り越えなければいけないし、乗り越えられるのがソニーだと私は信じています。

Xperiaではソニーは救えない

Xperiaは本当に良いプロダクトですし、競争力もあると思っていますが、価格勝負の新興国や成長国では圧倒的に不利です。実際、ボコボコにされてます。

ミドルクラスやローエンドモデルは個人的には要らないとずっと思っています。サムスンも失速、AppleもiPhone5Cで失敗しました。ローエンドモデルが無いと数は追うのはとても厳しいですが、数を出して利益を上げる構造はもう日本の家電の取る道ではないように思います。

しかし、ハイエンドモデルだけの戦いにはソニーのように部品の多くを外部から調達している企業にはリスクが付いて回ります。iPhoneのような展開になれば話は別ですが、今からそこを狙うのもかなり無理がある気がします。

そのような状況の中でハイエンドモデルだけで戦えるのか？と言われると私は戦っていけると思っています。ライバルには先ほども名前を上げたサムスン、Appleが居ますが、サムスンはアイデアと開発スピード、そして自社で部品調達できる強みがあり、Appleは独自OSとプロダクトデザイン、そして先行していた分だけユーザーを掴んでいると言う強みがあります。それぞれ本当に手ごわいライバルですが、アイデアとデザイン力の両社が持つ強みと彼ら以上の技術力を持ちながら、さらにグループ企業としての連携も取れるのがソニーのXperiaの強みであり、勝てる部分だと私は思うのです。

Xperia ZからOne Sonyを掲げて、the best of Sony としてXpeiraの強みを作ることに集中してきました。半年に一回、フラッグシップを更新することで製品としての完成度は加速度的に高まっています。それでも、もっとできる事はあると私は思っています。

Android食わず嫌いの人も多いと思います。昔があまりに未熟だった事実もあります。日本ではiPhoneがキャリアから明らかな優遇措置がされている事もあって不利な状況でも、これだけ売れているのです。より圧倒的な質感、そして誰にでも分かるようなユーザー体験をもたらして、Xperiaでなければいけないような状況をもっと構築していけば、茨の道であってもハイエンド市場は勝ち取れると思います。

ただ、Xperiaがソニーを救うのか？と言われると私はそうは思いません。スマートフォンはもう既に飽和状態です。

ソニーを救うのは我々が想像しない別にあるのではないでしょうか。

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タグ：XPERIA ソニー

コメント 2

こんにちは。

読ませていただきました。

高付加価値・多品種・少量生産・高利潤が生き残る道だと思う。

今の社長、経営陣は無能の極みだと思っている。

このままでは早晩、サンスイと同じ道をたどるだろう。
by さくどう親父 (2014-09-22 09:29) 

多品種・少量生産・高利潤は矛盾してます。
品種絞り込みが必要。

by とおりすがり (2014-10-04 11:07)