QXシリーズで感じるPlayMemories Mobileの課題とNFCの可能性 [α/Cyber-shot/Handycam]
当初私はQXシリーズの発表を見たとき、これはアプリ次第で決まると思い込んでいました。ただ、実際に使ってみるとそれは半分正解であり、半分は見当違いだったと思っています。
見当違いだったと感じているのはアプリだけでなく、QXシリーズそのものの運用の仕方や使い勝手の評価の部分もあるので、今回のエントリーでは全てを語る事は出来ません。ですが、PlayMemories Mobileがどのようなアプリでどのような可能性と課題があるのかを NFCを搭載したXperia Zと NFCが無いiPhoneなどと比較しながら見ていきたいと思います。
NFC
Xperia ZとQXシリーズの接続はNFCにタッチするだけです。ホントにそれだけ。
これだけでPlayMemories Mobileアプリが起動して勝手に接続してくれるのです。一切の設定は本当に必要ありません。スゴイ楽だし、この楽さがあるからこそQXシリーズの特徴や面白さがあるのだと感じています。
明らかに使いにくいiPhone
初めに誤解の無いように言っておきますが、PlayMemories MobileアプリはiOSアプリもAndroidアプリも画面構成も基本機能も同じです。レスポンスもほとんど互角。ソニーだからAndroidの方が快適なんだろう?と言う事は全くないですし、機能の差もありません。
ただ、カメラに接続するまでの過程がNFCの無いiPhone端末だと恐ろしいぐらい面倒くさいのは事実です。これで評価が分かれてしまうのではないだろうか?と思うぐらいの決定的な差がそこにはありました。
QXシリーズとスマートフォンはWi-Fiで繋がります。これの意味するのはiPhoneは自動で繋ぐ手段が無いため、レンズスタイルカメラとスマートフォンをWi-Fiで手動で繋げる操作が必要と言う事になるのです。
これがNFCが搭載されているXperia Zなどではタッチするだけで仮に今別のWi-Fiネットワークに繋がっていてもそれを切断して自動的にQXシリーズと接続してくれます。それが、iPhoneなどのNFCが無い端末だと自分で設定画面を開いて、Wi-Fiの接続先を変更しなくては連携して使えないのです。
この一連の操作をしないとPlayMemories Mobileを起動しても上のような「スマートフォンのWi-Fi設定画面でカメラと接続して下さい」とエラーメッセージが表示されてしまいます。なんだこれ?って思いますよね。
このいちいち設定画面を開く作業が本気でめんどくさい。しかも初回はパスワードまで入力しなければいけないのです。これだけで使う気力が半減です。
この煩わしさは初代のポータブルワイヤレスサーバーWG-C10を思い出してしまいました。特にiOSはWi-Fiの設定にたどり着くのも結構面倒なので、序盤からiPhoneユーザーの敷居はかなり高くなっていると感じています。もうこればっかりはiPhoneにNFCが付かない限りどうしようも無いでしょう。永遠につかないかも知れませんけど…
PlayMemories Mobile
さて繋がってしまいさへすればアプリそのものはそれほど悪くありません。アプリの説明は他のサイトでも沢山紹介されていますので、駆け足で紹介したいと思います。
QXシリーズは本体だけで撮影できるのもおもしろいのですが、やはりスマートフォンのディスプレイに表示されている様子を見ると未来を感じます。Wi-Fiなのでオフィスの端から端とかでも十分に繋がるのですから、本当に遠隔モニターです。
モバイルと付いていますが、タブレット端末でももちろん動作可能です。この使い方、今までにないスタイルだと思いますよ。
誰かにQXシリーズを持ってもらって、タブレットで確認するとかワイワイ遊べる気がします。写真はXperia Tablet Zですが、これもNFCが付いているので楽々です。
さてアプリですが、撮影は静止画だけでなく動画も可能です。
モードはプレミアムおまかせモードやプログラムオート、絞り優先があります。おまかせオートが私は好きですね。
タッチでフォーカスを変えられるのがかなり便利。素早く切り替わります。
ホワイトバランスなどの調整も可能。
この辺りは最近のスマホのカメラでもある程度は可能ですけどね。
ちなみに撮影後は共有する事もすぐにできます。またこの撮影後に本体にコピーする機能やプレビューもオフにできます。
撮影した後にプレビュー表示する機能はオフにできるのですが、オフにしても撮影ボタンを押した後に止まったようになる挙動になるので、そこは改善してもっと手軽にバシバシ取れるような感じが欲しいと思いました。使っていてこのカメラはいかに手軽に撮れるようになるのか?がポイントだと思ったからです。
ちなみにカメラ単体で撮影した画像も後でスマートフォンにコピーする事が出来ます。
ちなみに設定画面はこんな感じ。シャッター音をオフにすると、本当に微かな音しかしません。ヤバイです。
ちなみにQXシリーズを複数持っている場合、選択画面が表示されますので、QX10とQX100平行して使うことも余裕です。そんな人あまり居ないでしょうけど。
肝心のレスポンスですが、Wi-Fi環境があまり無いところではほとんど問題ありません。プレビュー画像もかなり高速に追随しますし、途中で切れるような事や接続に失敗する事も無いです。とは言ってもプレビュー表示はWi-Fi接続故に動き回る子供とかは不可能に近いでしょう。これは狙って撮る事はあきらめるべきです。
ですが、Wi-Fiが多く飛び交う都内のカフェなどは接続に失敗したり途中で途切れてしまう事がありました。さらに繋がってもレスポンスが遅かったりする事もありました。この辺り、環境に大きく左右されてしまうのは覚悟が必要だと思います。
まとめ
私が感じたのはやはり何と言ってもNFCの手軽さです。アプリにもう少しサクサク撮れるようなアイデアが欲しいのは言うまでも無いのですが、PlayMemories Mobile アプリのデキはそれなりだと思ったのです。
iPhoneとQXシリーズが接続するまでの一連の操作はこのようなリモート接続のカメラを使う場合、技術的には必要な作業だと思います。ただ、この一連の作業はパソコンにある程度詳しい人でもめんどくさいと思うのは間違いないと思います。それをただスマホで綺麗な写真が撮りたいだけの人が好んでやるのか?と考えたら、普通はあり得ないでしょう。
これらの作業をわずか1タッチで実現してしまうNFCはただの一連の作業を記録させるだけの機能以上の価値を我々に与えてくれると改めて感じました。QXシリーズのような新しい可能性のデバイスの提供は如何に簡単かつ、目新しいインパクトをユーザーに提供できるか?だと私は思っています。そう意味ではNFC搭載のスマートフォンやウォークマン、タブレットを持っている方には自信を持ってオススメしたいです。逆にiPhoneユーザーにはオススメはしにくいです。アプリのデキ以前に、iPhoneにNFCが無い事がこれほどまでに可能性を捨てているのか…と思い知らされた気がします。
PlayMemories Mobileに関して敢えて言うとカメラ的機能の充実も必要ですが、もっともっと手軽かつ快適に撮影できるようにして欲しいと私は思います。例えばダイアログや処理中のアニメーションを出してコピー中とする方が操作中のミスなどを制御出来て楽なのですが、敢えてそこをバックグラウンドでうまく処理して快適な操作性を実現して欲しいと思いました。
アプリはバージョンアップでどんどん良くなっていくでしょう。今後に期待しながらさらにAPIを使ったオリジナルアプリの登場も期待したいと思います。
次回は撮影サンプルの前にレンズスタイルカメラの一連のレビューをまとめたいと考えています。
ソニー レンズスタイルカメラ サイバーショット DSC-QX100
- 出版社/メーカー: ソニー
- メディア: エレクトロニクス
ソニー カメラアタッチメントケース ホワイト SPA-ACX2/W
- 出版社/メーカー: ソニー(SONY)
- メディア: 付属品
レンズスタイルカメラ DSC-QX10 ファーストインプレッション
レンズスタイルカメラ DSC-QX10 レビュー(開封編)
レンズスタイルカメラ DSC-QX10 レビュー(外観編)
レンズスタイルカメラ DSC-QX100 レビュー(開封編)
レンズスタイルカメラ DSC-QX100 レビュー(外観編)
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レンズスタイルカメラ QXシリーズ(DSC-QX10/100) レビュー
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